書き残す場所が必要だった

一つはないとね保管場所

そこはもしかして超埼玉ニューアーバンセンターアリーナ

 

 BATTLE OF TOKYOって、な~んだ!?(限界オタクなぞなぞ)

 

 2023年6月に小説版最新刊発売! 7月にライブ開催!
 おめでとうございますありがとうございます!
 これを機にBATTLE OF TOKYO原作小説をメインに沼落ち話や、まだ小説版を読んでいない・途中で止めてしまったという友人のため小説に興味を持ってほしいと思い立ちざっくりとしたあらすじなどを紹介したいと思います。私情。
 私はTHE RAMPAGEのオタクなので全てにおいてランペとラウディ(後述)に偏った内容になります。
 導入が沼落ち話なのですがそんなこたぁどうでもいいんだよ! あらすじだけ教えろや! という方はあらすじまでスクロールしていただきたい。

 

BATTLE OF TOKYOって、な~んだ!?

 

 略してBOT。このワード検索すると果てしない数のユーザーやツイートが引っ掛かってくるから何か工夫が必要だと思う。
 2020年にランペにハマった当時、MVとアバターネームととてもざっくりとしたおおまかな世界観しか発表されていなかったBOT
 しかしその楽曲とMVとパフォーマンスは2020年当時、THE RAMPAGEにハマったばかりの私には衝撃的だった。
 お約束の宇宙。英語ナレーション。なんかよくわからないけど、かっこいいのだけは確かなみなさん。
 今となってはもはや伝統芸能だと理解しているので、宇宙映像からの英語ナレーションが流れても「いつもの」と思う時間なのだが、当時はちんぷんかんぷんだった。でもそんな脳ミソとハートに直接ぶつかってくる感じは肌馴染みが良かった。
 そして始まる楽曲。


 デデデデデーデデーデデーン!
 MIX IT UPを最初に浴びてしまったのである。
 たぶんこれ最初に見るやつじゃなかったんだろうな……と思いながらも、曲や衣装が好きすぎてしばらく離れられなかった。

 

(これは後々知ることなのだが、まさかこのMVのナレーションもロケーションも全部小説版の物語に還元されているとは思わなかった。そこはあまりにも見事で感激した。
 そう、この多重異次元世界は繋がっているんだね……交差する宇宙……ってワケ!)

 

 面白そうな気配がした。オタクはみっちりとした設定も好きだが行間を読むのも大好きだからだ。
 さっそくBOTなるものについて調べ始めたが、驚いたことに、情報があまりなかった。
 秘匿されてるんだろうか? そんなはずもなく。
 調べてわかったことは
・超東京(新東京のパラレルワールドらしい)
・新東京(荒廃した未来の東京らしい)
・バビロニウム(超と新の世界が交わり扉が開かれ、存在が交差する場所)(MVのライオンさんがいるコロシアムみたいなところだ)
 という多重次元の世界を舞台にJr.EXILEメンバーと本人たちとは別にアバターが存在するプロジェクトであるということ。
 そのアバターは各人がそれぞれ自分たちで考えてキャラシートを提出したものがモデルになっていること。
 そしてこの当時はまだ「おおまかな世界観とキャラクターの設定だけは公開されているまだ何もわからねえ物語」
 ということ。
 でも超東京・新東京・バビロニウムの関係性だけは最初にきちんと提示されてて、ここが肝なんだなということは伝わった。
 ふっ、おもしれージャンル……!!

 そんなわけで何もわからねえまま私はBOTの展開を待った。
 わりとすぐにその「展開」が来ることなど知らぬまま。

 

RFBハロウィンパーティーの「展開」

 

 みんな「仮装でラウディショーグンやらないかな?」「そんでパフォーマンスしないかな?」とざわざわしていたRFBハロウィンパーティー。ランペ・ファンタ・バリの3グループがメインとなっておこなわれたオンラインライブである。
 ちなみにここでもサイフィがオープニングアクトや一緒にパフォーマンスをしている。もうここからサイフィもBOTに関わっていたのかもしれない。
 一通りお祭りのようなハロウィンライブが終わり、アンコール的に始まったのがなんとBOT楽曲のパフォーマンスだった。
 画面に映し出された見覚えのあるコロシアム!
 あのライオン! 
 バビロニウムへの扉が開かれる……!!

 

 

2021年2月、小説『BATTLE OF TOKYO』第1巻の発売という「展開」

 

 いつも唐突なんだよなぁ!!
 小説が好きなので、BOTの物語を活字で文章で読めるなんて願ったり叶ったりだ。漫画や映画のノベライズも好きなタイプなので第1巻もスッと読めた。なんならスッと読めすぎた。
 第1巻発売当時の評判は悲しきかな、あんまり好意的ではなかった。今でもたぶん好意的ではない。ジャ○プジ○イブックスって言われてたのが印象的だ。まさにその通りだったので笑ってしまった。ジャン○ジェ○ブックスを通ってきたオタクなので。

 

 だがご安心を。
 第2巻、第3巻、第4巻と巻を増すごとに物語は面白くなっていく。
 これまで散らばっていたキーワードの謎が紐解かれ、世界観を生かした設定が描写され、MVに流れていた謎英語文章や設定についても取り入れられた。「流星祭」が出てきたときは大喜びした。キャラクターの掘り下げやキャラクター同士のやりとりも増えた。
 特に第3巻から急激に増えるチーム同士の戦闘シーンや、第4巻の大勢のキャラクターが一つの目的のために戦い、一つの目的のために手を取り合う場面などはとにかく諦めずに読んできて良かった!! という満足感と感動を覚える。

 

 第4巻のあの引きがあまりにも続きが気になるところだったので、第5巻がいついつ発売されるのかとずっと待っていた。
 行きつけの書店でとにかくBOTの小説を買い、行く先々の書店でも「こんなところに野良BOTがある」と買っては友人知人に配った。第4巻までしか出ていないのにその何倍の冊数を買っている可能性があるな……。

 

 今回、第5巻の発売されるときいてもういてもたってもいられなくなってしまった。
 とにかくまだ小説BOTを読んでいないという方に、どうしても読んでほしい! 読むのが苦手ならまずはあらすじだけでも知って、興味を持ったら書店で紙の本を買って読んでほしい! 推しのアバターがこんな活躍をしているよ! こんな文章で表現されているよ! というのを伝えたい。
 そんなわけで、さわりが長くなってしまったが、ここからが本題。

 

未読の方へ、途中で読むのやめてしまった方へ、BOT小説ざっくり紹介!

 

 ちなみに私自身のあらすじ紹介は新設設計じゃないので、お手元にエキシビジョンガイドおよびスターティングガイドがある方はそちらに世界観の説明と第1巻のあらすじが丁寧に書いてありますのでお読みください。
 TIME 4 Jr.EXILEのライブ円盤の冒頭映像とナレーションもおすすめ。
 この拙い文章よりおすすめ。

 

※あくまでもざっくりとした大筋の紹介と個人的なラウディショーグン好きポイントをまとめたものであり、目的は「小説BOTを買って読んでもらうため」となっています。
 この見せ場がない! このシーンが入っていない! などがありましたら是非とも発信・共有をしてください。見に行きます。にっこりします。
 個人のブログなのであらすじについては抜き・漏れがもちろんたくさんあります。
 本編を読んでご自身の目で確かめましょう!

 

 

 

<第1巻> これは「最後の真実」を探す物語。

 

 第1巻はアルバム『BATTLE OF TOKYO TIME 4 Jr.EXILE』に収録されているMVのノベライズといってもいい。
 もうMVを見ればわかる。その通りの内容が書かれている。

 

 どうか冒頭の世界観説明とヒロインポジションのオリキャラ女子学生の登場に諦めて本を閉じないでほしい。
 そのチャプター0『プロローグ』とチャプター1『指環篇』の冒頭部分にこそ超東京がどんな経緯があり、どのように復興した、どのような場所なのかが描写されている。
 舞台になる超東京は物語の五年前に大嵐の災害「IUS(アイアス)」によって東京以外のほとんどの都市が滅んでしまった世界だ。特殊な技術である三次元的物質複製技術「コピー」によって復興が進み、現在はその技術によってあらゆる物が精製されている。これにより東京は復元し繁栄した―――――というのがこの超東京の設定。
 そんな超東京に生きる一人の女子高校生・マキナが祖母の形見である指環を盗まれ、とある探偵事務所に依頼する。
 ちなみにこの探偵事務所というのがMAD JESTERSことマッジェ。
 この指環をはじめとしたコピー全盛期の中でとても貴重な複製不能の希少品、最後の真実こと「ファイナル・ファクト」と呼ばれる存在を巡って異能(スキル)という特殊能力を持った者たちが謎を追ったり戦ったりするのがBOTそのもののあらすじだ。

 

 第1巻では先述の通り、MVの説明のようなものである。MVを見ていればだいたいのことがわかる。MVで流れていた映像を活字で描写し、キャラクターの喋りかたや風貌を描写した文章に萌えることが読み方としてはオススメかもしれない。
 ROWDY SHOGUNことラウディの登場はほとんど顔見せでチャプター0『プロローグ』とチャプター3『守護篇』となっている。オークションに参加する女性・マダムと彼女が狙うファイナル・ファクトであるブラックダイアモンドを守護する任務を請け負う。
 ちなみに第1巻ではラウディが全員喋ることがなく、ちょこっと一行描写されるくらいで終わってしまうキャラクターもいたのでオタクは激怒した。

 

~主観によるここがオススメ! ラウディ的読んでほしいポイント~

 

・アジトの描写
 コンクリ打ちっぱなしのビル!!!!!
 大広間ではでっかいスピーカーで大音量の音楽が流れ!!!!!!
 ドラム缶にかがり火がたかれている!!!!!!!
 ここが正直一番大好き。すごいアジトだな。指環編でマッジェがちょっと都会的でおしゃれな様子を見せるもんだから余計にその対比が光るんだよ。
 ちなみにこのビルは複製再建されないものであり、作品の「コピーできないホンモノ」というキーワードに則っている。

 

・賊を制圧するラウディ
 ラウディの異能は「守護(プロテクト)」という、盾を作り守護に特化した能力。ポケモンでいうところのかたくなるとかまるくなるとか基本的にはそういうタイプの力だ。シンプルイズベスト。しかしそのシンプルな素殴りで賊を制圧してとっ捕まえるラウディの姿は頼もしい。
 大きな盾を多くの人々を守ったり、自分の肉体を強化したり、工夫やその人の特性によってバラエティも豊かになるのが面白い。その面白さは第2巻以降で花開いていくのでお楽しみに。
 ところでこの中で一人、刀を使うゴエモンはズルいくらいかっこいい。

 

 

 

<第2巻> 異能の力と信念がぶつかり合う!

 

 表紙がラウディを表しているので大好き! 私情。

 

 前回、マッジェにファイナル・ファクトである古書をかっさらわれたラウディ。マッジェと古書の行方を追うために捜査を開始するチャプター1『追跡篇』はキサラギ、ミーヤ、グスクがメインとなり活躍する。
 続くチャプター2『激突篇』では再度ブラックダイアを狙ってやってきたマッジェとそれを護衛するラウディの戦闘が描かれる。
 対戦カードはゼロ対ベイリー、シャーロック対ルプス、スマッシュ対ハデス、チャッター対ゴエモン。個人的には屋上でおこなわれるスマッシュ・チャッターとハデス・ゴエモンの戦闘は読みごたえがある。こういうのはやく書きたくて仕方なかったんだろうな……!
 この『激突篇』のラストでシャーロックがラウディ側に捕縛されることとなる。シャーロックは仲間を逃がすため、そしてもう一つの思惑のためにラウディに捕まるのを良しとした。

 

 次のチャプター3『魔術篇』ではAstro9ことアストロが主役。彼らは団長というサーカス団の長であり育ての親でもある人物が失踪してしまい、その行方を追いながらアストロパークに起こるトラブル解決に日々奔走中だ。
 そんな中、団長が失踪した日にハッカー集団JIGGY BOYSことジギボが侵入していたという情報が入る。アストロはジギボの拠点である池袋に乗り込んで強襲するのだが、どうやら彼らは団長失踪について何も知らないようで……?
 そんなすれ違いのジギボ視点がチャプター4『錯綜篇』。
 アストロとジギボがぶつかり合うが、そんな中にブルーシールドが乱入しジギボは分断されてしまう。彼らは逃走しながら自分たちがアストロに問い詰められた団長失踪の件について考えを巡らせる。
 団長失踪の夜、彼らは池袋の拠点でブルーシールドに襲撃を受けており、団長を誘拐するなど不可能なことだったのだ。自分たちが誰に何故どんな罪をなすりつけられたのか、彼らもまた謎を追うことになる。

 

 そこでジギボのユキ、フューチャー、スキートはアストロパークに向かう道すがら、ラウディのホームタウン六本木へ。そこでアストロに化けてヘリを奪い、ラウディとアストロをぶつけて移動手段も手に入れるという作戦に出る。
 ヘリを奪われたエイノットはハッキングでヘリの操縦を奪い返し、ヘリから飛び降りて逃走するジギボに電撃弾を撃ち込もうとする。
 しかしユキたちは異能「スキャニング」を駆使してこれまでスキャンした力を組み合わせた電磁法をヘリに打ち込み撃墜。
 最後の『エピローグ』ではラウディはアストロがヘリ強奪・破壊の犯人だと誤認させられたままアストロを追うことになる。
 ちなみにエピローグで唐突にマキナの友人・リコが六本木で悪い奴らに追われており、マキナも親友を救いに六本木へ飛び出していく。

 

~主観によるラウディ的オススメポイント~

 

・全部
 第2巻からもう全部がオススメなのでこのコーナー要らないかもしれない。

 

・事務作業をするラウディ
 追跡篇でミーヤ、キサラギ、ジョー、エイノットが報告書作成などの事務作業をしている場面。書類作成が苦手なミーヤ、真面目に淡々と作業するキサラギ、ゲームは好きだがそのために仕事を効率的に終わらせるエイノット、ミーヤの代わりに事務作業を請け負おうとするジョーなど、それぞれの性格が見えてかわいい。

 

・捜査チームのバランスの良さ
 キサラギのお坊ちゃんゆえの上品さと清廉さ、腹芸は得意だがまだ清濁を上手く併せ呑めなさそうなバランスが良い。そして対照的に描かれているのが素直で自由なミーヤが裏社会の人々を相手にまっすぐな言葉で話し合う場面が良い。そんな二人を見守るグスクの兄のような眼差しと台詞が良い。

 

・チャッター対ゴエモン
 第2巻のハイライトは間違いなくこのパート。銃使いのチャッターと刀使いのゴエモンという真逆の武器を扱う二人のぶつかり合いは「2巻からなんか違うぞ……!?」と興奮させてくれる。
 ちなみに同時進行で戦っているスマッシュとハデスの戦いは泥くさく男くさい感じがしますがBOTきっての爆萌え対戦カードだと思っています。

 

 

 

<第3巻> 交錯する思惑、事件、激化する戦い。

 

 各チームがそれぞれ別の思惑で動きながらも絡み合っていく第3巻。
 ここから物語やキャラクターが一気に動き出し、目まぐるしく場面が転換していく。本も分厚くなっていく。
 冒頭にはリフレインとしてこれまでのあらすじが入っている。親切設計だね。
 チャプター0『プロローグ』ではマキナが親友・リコを助けるためにブルーシールドに通報するのだが、だいぶ時間がかかるという。マキナはそんなに待っていられるか! と探偵事務所から道具を拝借して彼女を助けに行く。
 同時にこれから始まる戦闘に向けて準備をする各チームの様子が描かれており、ここでトラヴィスとサルトビがアストロパークへ向かう場面がある。

 

 チャプター1『灼熱篇』では郊外部の砂漠でフューチャーはおぼろげな記憶と重なるように不思議な光景を見る。
「世界の資源はとうに枯渇しており、渇きを潤すものは少ない」
 という荒廃した世界の光景だ。
 フューチャーはこれを疑問に思う。何故なら彼らの世界は東京以外はそのような状況にあるものの東京に関して言えば豊かで繁栄しているからだ。ではこれはどの世界のことを指しているのか……?(おそらく新東京のことであり、フューチャーはパラレルワールドである新東京の世界が見えていたのではないかと推測される)
 そうしてアストロパークにたどり着いたユキ、フューチャー、スキートだったがアストロのカラスとアリアに捕捉され戦闘が始まってしまう。無実を訴えるジギボだったが、アストロが提示した映像にはたしかに「自分たちが団長を誘拐している」場面が映し出されていた。
 そこへイタルとテクウも増援にやってくるが、スキャニングした能力でユキたちは砂漠へ逃走。カラスとアリアがそれを追うものの、ジギボの仲間たちが駆けつけ協力してアストロの二人を下す。
 そしてジギボは証拠映像に隠された違和感に気が付く。

 

 チャプター2『虚実篇』ではアストロを追うトラヴィスとサルトビのサルトラコンビがアストロパークへ到着。イタルとテクウが対応するが、何故ラウディの怒りを買ったのか、身に覚えのない出来事に困惑。テクウはジギボがアストロに変装したのだと弁明をする(そしてそれは正解なのだが)が、なし崩し的に戦闘が始まってしまう。
 対戦カードはサルトビ対イタル、テクウ対トラヴィス。ここでアクロバティックに戦うサルトビとイタルの戦闘シーンと軽妙で嘘か本当かわからない内容の会話のやりとりは和むやら笑うやら怖いやら。
 四人の戦いも激化しようというとき、ジギボが気絶したカラスとアリアを運んでやってくる。
 ジギボは映像に映し出されている団長誘拐の犯人が自分たちではないことを改めて主張し、真犯人たちが整形技術によって変装し事件を起こしたことを証明する。これによりアストロは改めて団長を誘拐した真犯人たちを探すことになる。
 誤解がとけて和解した空気の中、サルトビが気づく。ジギボがラウディのヘリを奪って壊したことは事実であると。
 逃げ出すジギボ。
 追うサルトラ。
 見送るイタルとテクウ。

 

 改めて集合したアストロは真犯人が存在していることを知り、捜査を開始する。
 その中でイタルはパーク内で怪しい人物と接触。その男は団長誘拐事件について情報提供を持ち掛けてきた。男は依頼されて情報をかく乱するよう指示されていたが、アストロ側についたほうが得だと考えたのだ。しかし男は狙撃されて死亡。
 イタルはパーク内に真犯人と団長がいると考え、パーク中心部「シティ」へ向かう。
 その推理通り、シティにて建設中のホテルに団長が監禁されていた。団長を救おうとするイタルだったが、真犯人たちの放った異能を封じる粉塵によってスキルを封印されてしまう。
 アストロの仲間たちが救助に来るが、時はすでに遅く、団長は「古書」と「バビロニウム」について伝えて息を引きとった。

 

 チャプター2.5『神速篇』は逃げるジギボと追うサルトラの攻防戦。
 サルトビのもう一つの異能があきらかになり、剣呑物騒なトラヴィスドラテクが披露されたりする。
 その戦いを見張るブルーシールドの怪しい影。そのブルーシールドの動きを監視するジギボのクロード。
 一方、渋谷の下層地区に逃げ込んだマキナとリコは怪しげな神殿を見つける。

 

 

 チャプター3『炸裂篇』ではマッジェとラウディの因縁の対決がまたもや勃発。メインで描かれるのはリュカ。
 屋上での戦いで負傷したハデスとゴエモンは療養のため入院。ツートップ不在の中、リュカたちはジョーの特殊能力である「催眠」で、捕縛したシャーロックから話を聞き出そうとする。
 シャーロックはこの世界の成り立ちや、この街の上空を覆う巨大構造物に関する調査をしていた父親の物語を語る。しかし父親はある日瀕死の重傷を負い、息を引き取る。父親の意志を継いだシャーロックは「真実を探求している」ことを明かす。
 そんな折、ブルーシールドの一員であるイヌイという男から連絡が入る。(ちなみにこのイヌイ、2巻から登場しては各チームに接触している謎の人物である)
 ブルーシールドはラウディが確保した怪盗団の一人――つまりシャーロックを引き渡すよう要求する。ラウディは協議するが、リュカは「シャーロックをブルーシールドに引き渡す件を利用し、他の怪盗を一網打尽にする」という作戦を立てる。

 

 シャーロックの引き渡し時刻。
 現場にはマッジェがシャーロックを取り戻すために襲来。ラウディの交戦が始まる。リュカは仲間たちに支えられながらシャーロックをブルーシールドの護送ヘリに投げ入れ、引き渡しを強行しようとする。
 対戦カードはゼロ対ベイリー、スマッシュ対ルプス、チャッター&パルテ対マリーン&ジュディ。
 一方モニター室ではジョーとエイノットが情報面での援護をおこなっていた。
 そこへ唐突にクロードが強襲し、金属バットでエイノットを殴りつける。意図も目的も不明なクロードにジョーは困惑するが、エイノットを襲ったクロードに立ち向かう。

 

 護送ヘリに乗り込んだリュカは針路の違いに気が付く。
 運転手に声をかけると、それはマサトの変装だった。すべてはマッジェの作戦通りだったのだ。ブルーシールドに変装して成りすまし、マッジェの奇襲を受けたラウディが護送ヘリにシャーロックを乗せヘリを飛び立たせるという判断へ導くために。
 マサトによってヘリは渋谷コンテナ街へ向かう。リュカの目をくらませてマサトはシャーロックを連れて脱出。後を追うがそこはマサトが得意とするフィールド。彼の武器である爆弾に翻弄され苦戦を強いられながらもリュカはマサトと交戦し、辛勝する。
 しかし、マサトによって拘束を解かれていたシャーロックがリュカを拘束。マサトを連れて悠々と逃走するのだった。

 

 モニター室ではジョーとクロードの戦いが続いていた。クロードの金属バットの威力が尋常ではないことに疑問を抱くジョーだったが、やがて形勢はクロードに傾いていく。クロードはスキルによってスキャンした能力で金属バットの重量を増していた。彼はジョーに対してバットを幾度となく振り下ろす。
 追い詰められるジョーだったが、エイノットが復活し、二人はクロードに勝利する。クロードは「お前たちのスキルは完全に解析した」と言い残して逃亡してしまう。
 また、ゼロ、スマッシュと戦っていたベイリーとルプスだったが、惜しくも敗れてしまう。シャーロックがゼロとスマッシュを迎えにやってくるが止める術はなく、怪盗たちは去って行った。

 

 

 チャプター4『迷宮篇』。
 冒頭からシャーロックが交戦中のマリーンとジュディを車で吹っ飛ばすという荒業を披露しつつ、一方でロッソがマダム所有のブラックダイアモンドを奪うことに成功していた。
 そこでブラックダイアの警備にあたっていたマルドゥクとキューブがダイアを奪い返そうと奮闘する。
 ホバーボードやドローンを駆使してロッソを追うキューブ。対用心棒用の道具を用意していたロッソはキューブの追走を振り切った――ように思えた。しかしもうひとりの用心棒・マルドゥクの攻撃を受ける。
 二人のコンビネーションに追い詰められるロッソだったが、武器に仕込んだ混合燃料に引火。「プロテクトは炎を防げても酸素不足は免れない」という情報を仲間から得ていた彼はとっておきの作戦を立てていたのだった。

 

 用心棒をまいてシャーロックたちと合流したロッソ。勢揃いしたマッジェだったが、ブルーシールドによってあらゆる地区の方面がブルーシールドに包囲されていることを知る。手をこまねく怪盗団だったが、ロッソの提案で渋谷地下の下層地区を通るルートを選ぶ。
 下層地区での道すがら、彼らは過去に想いを馳せる。ここではマッジェがどのような経緯で結成されたのかがわずかだが描かれている。
 そんな渋谷の地下だが、ここで判明するのはこの地下にある廃墟の街こそが旧時代(=大嵐以前の時代を指す)の渋谷である、という説だ。なお、この下層地区にも居住者がいるのだが、地上の人間とは接触したくないらしい。
 そのとき、少女の悲鳴が響く。
 姿を現したのはなんとマキナとリコだった。二人は悪党から逃れるために下層地区へ入ったのだが、そこでなんと巨大なワニに追われてしまう。
 ワニを倒してマキナとリコを救うマッジェ。そこで彼女たちから「神殿」なる存在の話を聞き、マッジェは彼女たちとともに神殿へ、向かうことに。

 

 神殿にはファイナル・ファクトに関する研究資料が残されていた。その資料が記すところによると
混沌(バラル)の力とは第三者による複製を拒むが如き得体の力の波動」
「混沌の力は物理法則や世界の秩序を変えてしまう力を持っている」
「嵐によって散らばったファイナル・ファクトを集めると、多重郷次元の交差点『バビロニウム』へのアクセスが可能となる」
 というもの。※ざっくり訳
 バビロニウムが開かれると運命が変わり、新たな未来が切り拓かれるらしい。
 ドラゴ○ボール。

 

 するとそこへガス弾が投げ入れられる。マッジェと少女たちはガスマスクを装着したが少女たちは気を失ってしまう。命の危険性はないガスだったが身動きがとれなくなる。
 現れたのはマルドゥクとキューブだった。戦闘で疲弊したシャーロックたちと少女たちを逃がしてブラックダイアモンドを託し、ロッソ&パルテ対マルドゥク&キューブの戦いが始まる。
 ここではマルドゥクとロッソが互いに二つめの特殊能力を持っていることが明かされる。マルドゥクの水分変換とロッソの人狼化だ。二人の戦いはBOTの中でもかなり血なまぐさい戦いになっている。
 ロッソの力の開放により彼を危険視したマルドゥクは、地下の水を呼び寄せて自分たちと怪盗団を全員まとめて道連れにしようと自身の力を最大限に引き出す。水が迫る神殿の中、パルテの応援によってロッソは救出される。

 

 

 チャプターEX『エピローグ』はこのたくさんの事件が重なり合った日の翌朝。
 マッジェは古書の片割れを持っているアストロへ会いに行くことを決める。
 ラウディはマダムから改めて依頼を受ける。それは「怪盗団からブラックダイアを奪還すること」と「ファイナル・ファクトを収集するマダムを警護すること」。マダムの支援を得て彼らは決意を新たにする。
 アストロは団長から受け継いだ古書について調査をしていた。そこに書いてあることはさっぱりだが、挿絵には超東京の俯瞰図とアストロと思しき青年たちが描かれていて……?
 ジギボは逃走を続けていた。そんな中クロードが他チームのスキルの解析結果を持ち帰る。そして彼は仲間たちに、ファイナル・ファクトについて語り始める。
 マキナとリコは年に一度の祭り『流星祭』が開催されるアストロパークへでかける約束をする。

 

~主観によるラウディ的オススメポイント~

 

・サルトラの全部
 サルトラの全部。
「そらシンプルに『報復』よ」
「忍者なんか現代にいるわけないじゃん」
 チンピラコンビと評されているのも良い味出してる。

 

・如月財閥に仕える忍
 猿飛家は如月財閥に仕える忍だったことが明らかになる「神速篇」。サルトビとキサラギの中の人(外の人?)のオタクは狂喜乱舞した。祭であった。この三行だけでオタクは息も絶え絶えに次の第4巻まで生き延びた。

 

・ラウディ設立の回想
 リュカがマサトとの交戦中、薄らぐ意識の中での回想シーン。リュカから仲間たちへの想いと負けず嫌いな性格が表されている。
 ハデス、ゴエモン、ベイリー、ルプス、リュカがかがり火を囲んで養殖のパック寿司食べてるシーンなのだが、これをイラストやアニメにしてほしい。一刻も早く。SFとして好きなシーンでもある。

 

・ふたりは相方!
 ジョーとエイノットの「互いが敵にやられるとものすごく怒って奮い立つ」相方ぶりを噛み締めてほしい。

 

・キューブとマルドゥクの描写
 これぞ小説の醍醐味である。二人がどんなふうに美しく魅力的に描かれているかはぜひ小説を読んでほしい。また、マルドゥクの戦闘描写はBOTで一、二を争う物騒さと殺意に満ちているのでたいへんおすすめだ。

 

・底知れぬ闇をたたえた瞳の奥に見える信念の光。
 出展:BOT第3巻P344

 

 

 

<第4巻> 年に一度の『流星祭』がはじまる。

 

 一年に一度、アストロパークで開かれる最大のショーイベント『流星祭』に向けて物語が大きく動き出す。
 『流星祭』は園内にあるアリーナや野外で様々なアーティストが夜通しショーをおこなう。音楽、ダンス、演劇、イリュージョン、あらゆるジャンルのエンタメが集結する一大イベントだ。
 チャプター0は第3巻エピローグと繋がっている。
 マッジェはもう一冊の古書を手に入れるためアストロパークへ。
 ラウディはブラックダイアモンド奪還を目指し、マダムを警護しながら怪盗団を追う。
 アストロは団長が残した古書の解読に励みながら、流星祭に向けて準備をしながら、「シティのどこかに裏切り者がいる」と推理し、裏切り者の捜査に乗り出す。
 ジギボはファイナル・ファクトを追う。ある者は懐事情のため、ある者は真実を求めるため。

 

 チャプター1『完成篇』ではアストロパークに潜む裏切り者を探すべくカグラとケインが調査に向かう。犯人はどうやらアストロパークの権力者の一人、そしてアストロの雇用主でもある専務の可能性が高い。
 犯人を追う中でカグラは仲間たちとアストロパークという居場所への強い想いをケインに吐露にする。ケインはそんなカグラに同行することを決める。上層部に逆らって、その代償に二人でクビになったら、どこかの街で大道芸人でもやろう――ケインは穏やかに微笑んだ。
 犯人はやはり専務であった。専務はアストロパーク内のコピー技術は超東京都心に比べると品質が粗悪であり劣化している事実を告白する。そこで専務はアストロパークと流星祭から生まれる巨額の富のため、ブルーシールドが提供する正規のコピー技術と引き換えに団長をブルーシールドに売ったのだった。
 パークの建設物の劣化を隠蔽した罪が明るみに出ることを恐れた専務はカグラとケインを抹殺しようとするが、二人は専務とその部下たちを圧倒し制圧。処罰を「顔役の爺っちゃん」に委ねることに。
 その好々爺こそがアストロパークのCEO、最高責任者たる「王」だった。

 

 王は団長の過去についてアストロに語って聞かせる。団長は過去、嵐の後の社会を支配しようと目論むブルーシールドに対して仲間たちとともに立ち向かったが、団長たちの一味は壊滅。彼は一人アストロパークへ逃げ延びた。ファイナル・ファクトである古書を抱えて。
 そしてシティ内にある巨大建造物「キャッスルタワービル」の最深部、エンジンルームに存在する金庫で彼らはファイナル・ファクトの一つであり三種之神宝である鏡を目にする。その鏡には、謎の七人の男たちと対峙するアストロの面々が見えた。その鏡は未来の運命を映し出すというが……。
 ブルーシールド、怪盗団、あらゆる脅威からアストロパークを守るため、彼らは迎撃態勢を整え始める。

 

 

 チャプター2『進化篇』ではジギボの準備期間が描かれる。冒頭から笑顔の鬼コーチと化したクロードによる訓練がおこなわれている。スキャニングした力を使いこなせるようにするための訓練だ。
 何故クロードはファイナル・ファクトを追い、他チームの異能の力を集め、チームをこれほどまでに強くしようとしたのか? という謎をはじめとした彼らの過去が明らかになる。
 フローリーとXはフローリーの姉・リヴィアの元へ、戦いに備えて装甲車の修繕と購入へ。そこで彼女から、池袋にもブルーシールドが台頭している情報を得る。そのとき仲間たちから緊急のメッセージが入る。ブルーシールドの襲撃があったのだ。敵はスキルを封じる術を持っている、クロードが負傷した、助けてくれ。二人はリヴィアから受け取ったSUVに乗り込み、仲間たちを救出に向かう。
 仲間たちの元へ駆けつけると、そこにはスキルを封じる煙が撒かれていた。退却しようとしたジギボだったが、イヌイがクロードに「親父とそっくりだな」と呼びかける。仲間を巻き込み、破滅に導く。それがクロードの父親だという。
 クロードは仲間たちに異能対策部隊の一員であったことや父親が関わる事件について明かす。
 クロードが過去の出来事を告白したことで、仲間たちもまたそれぞれの経歴を明かす。そして改めて、このチームでファイナル・ファクトを追う決意を固めた。

 

 ジギボもまた渋谷の下層地区へ向かう。行政側の記録によれば100年前に打ち捨てられた渋谷の街。現在の渋谷はこの上の建てられていると記されているようだ。
 下層地区の神殿はクロードの父親がファイナル・ファクトを保管している倉庫だったのだ。彼らは神殿を開いてファイナル・ファクトを調べようとしたのだが、なんと神殿は水没。もちろん第3巻でマッジェが侵入を果たし、ラウディとの戦闘によって水没したあの神殿である。かわいそう。
 ここでスキートの過去視の能力が開眼。過去視によって神殿で怪盗団と用心棒が戦闘をおこない、神殿が水没、怪盗によってファイナル・ファクトについて記録された黄金のレコードが持ち出されたことが発覚する
 彼らもまた怪盗団の逃走経路を辿り始める。

 

 

 チャプター2.5『間奏篇』ではラウディと行動をともにするマダムの過去と、六本木が「解放区」となった経緯が明かされる。
 六本木はブルーシールドの配置数が少なく、民衆の自由が守られている。それはこの街が行政の力を借りず、民衆が自力で復興を遂げたため、現在も行政の介入を拒んでいるからであると思われていた。しかし加えて、ある秘密があった。
 それはマダムがブルーシールドに資金を提供する代償に、六本木への進出を制御しているというもの。ブルーシールドの支配から逃れるためマダムは私財を投じて六本木を「解放区」としたのだった。
 そこに問題が残った。解放区は自由と引き換えに治安維持の面を切り捨てざるをえなかったのだ。だが、そんな悪化した治安の中で人々を護り続けた若者たちがいた。それがラウディショーグンであった。
 マダムはずっとラウディを自分と同種の生き物であると考え、依頼していたのだ。
 マダムはブラックダイアモンドは三種の神宝であり、とりわけ特殊な力あることを口にするが、そのとき、エイノットが怪盗団の経路にたどり着き、拠点を割り出す。
 直接対決の時が近づいていた。

 

 そのころ、マキナとリコはチャッターとマサトとともにアストロパークを満喫していた。
 嵐の後、孤児となったマキナたちは行政に育てられた、決められた範囲内の衣食住で生活をしていたため、ほとんど娯楽がなかったのだという。彼女たちは学校を卒業したら行政の職員として働くことが決まっている。
 学生生活最後の思い出として、マキナは親友と恩人たちとの時間を楽しんでいた。

 

 同時刻、新宿。ブルーシールド本部ではイヌイたちが異能者たちの動向を追っていた。「武器商人」たちから対異能者用の武器を買う。4つの異能者のグループに対抗するために。

 

 

 チャプター3『解放篇』。マッジェの拠点となっているビルではゼロの機械部分の修理をおこなっている。そこではゼロの過去と怪盗団に入った理由が明らかになる。
 神殿から持ち去ったファイナル・ファクトの調査をする中で、どうやら神宝である鏡がアストロパークにあることを突き止めたマッジェはアストロパークの古書と鏡を手に入れるべく行動を開始しようとする――そのとき、車の走行音が響き渡る。
 黒塗りの防弾リムジンが猛然と迫ってきていた。
 ラウディのカチコミである。リムジンで来た。13人いる! スマッシュもちょっと引いてる。
 ハデスは怪盗団に今まで盗んだ全てのファイナル・ファクトを持って投降するよう告げるがスマッシュはそれを拒否。戦いの火蓋が切って落とされる。
 屋上と地上で怪盗団を追い詰めるラウディだったが、マッジェはビルごと爆破。拠点内に侵入していたラウディは爆炎と倒壊したビルの破片に埋もれてしまう。マッジェはグライダーでビルを脱出した。
 チーム創設時の仲間を特にひどくやられたルプスはモニター越しに怒りと歯がゆさを感じていた。それを察したマダムは、自分の警護にあたっていたルプスを解放し戦線へ送り出す。

 

 マキナとリコとともにアストロパークへ一足先にやってきていたチャッターとマサトはインカムで仲間たちの動向をうかがっていた。二人は念のため、先んじて仕事を開始することに。
 スマッシュに通信を繋ぐと、彼らはホバーボードに乗って小さなドローンを操るキューブに追われていた。何とかキューブの追走を振り切るが続けてマリーンとジュディに追われることに。二人がオープンカーに追いつこうとしたその瞬間、SUVが突っ込んできて、マリーンとジュディを跳ね飛ばす。二回目の自動車事件。
 SUVの主はジギボ。フローリーはマッジェを追うラウディを足止めして逃走を助ける代わりに彼らが持ち去ったファイナル・ファクトを渡すよう取引を持ち掛ける。それはもともとクロードの父親の形見の品である、と。マッジェは「不朽の円盤」を彼らに渡し、取引は成立。
 向かってくるラウディの防弾リムジンにジギボのSUVが立ちはだかる。

 

 ラウディの相手をジギボに任せてマッジェはアストロパークを目前にしていた。その行く手を、アストロの自転車BMXが阻む。
 アストロパークへ続くスカイウェイ(高架道路)で待ち受けていたのはBMXの乗り手であるディルとハジメだった。攻守に秀でた二人のコンビネーションに苦戦するマッジェ。真実の探求のために古書と鏡を譲ってもらえないかとパルテは懇願するが、どれほど平和的であろうとも、託された古書と守るべき鏡を譲るわけにはいかないアストロはそれを拒否。戦いの末、スマッシュがディルとハジメを下し、マッジェは遂にアストロパークへ突入。
 怪盗団は『流星祭』を乗っ取る、と民衆たちの前でわざと喧伝。人々の混乱させないようテクウが機転を利かせ、これから行われるであろう戦闘をショーであるとアナウンスする。
 チャッターとマサトはキャッスルタワービルのエンジンルームにたどり着いていた。そこにはカグラとケインが怪盗たちを待ち受ける。マサトは5年前の大嵐や異能の誕生について真実を解き明かすためにファイナル・ファクトが必要であることを説明し古書と鏡を渡すよう説得。だがやはり互いに譲ることはできず、戦闘が続く。
 シャーロックは一人、ブラックダイアモンドを持ってキャッスルタワービルの屋上へ。屋上からビル内へ潜入しようとしたシャーロックだったが、そこへラウディのヘリが現れ、ルプスが屋上に降り立つ。二人の因縁の戦いが始まると同時に、時計は18時を指し、夜空に花火が上がる。
 『流星祭』が始まった。

 

 

 チャプター4『正義篇』ではいよいよ4チームが入り乱れた戦いが開幕する。
 いよいよ彼らのぶつかり合いも大詰めだ。アストロパークを取り巻くあらゆる場所で、であらゆるチームの顔ぶれが交錯して戦っている。

 

 キャッスルタワービル屋上ではシャーロック対ルプス。第1巻から続く因縁の対決もいよいよ決着を迎える。
 アストロパーク外スカイウェイではジギボを追うラウディの面々。サルトビとトラヴィスを筆頭に、リムジンに乗車するキサラギ、ミーヤ、グスクが追い詰める。SUVを直接攻撃し、スカイウェイの下に広がる砂漠に叩き落す。そこへマルドゥクとマリーンも追いついてくる。マルドゥクはサルトビとトラヴィスをシティに向かわせる。
 キャッスルタワービルの地下、チャッター・マサトと戦うカグラ・ケインの場面に遭遇するサルトビとトラヴィス。二人はカグラとケインを手助けすることに決める
 スカイウェイ下の砂漠ではジギボの7人とミーヤ、グスク、キサラギマルドゥク、マリーン。クロードはフローリーとXにキャッスルタワービル地下に向かうよう指示する。対戦カードはキサラギ対フューチャー、ミーヤ対スキート、グスク対リブラ、マルドゥク・マリーン対クロード・ユキ。特にマルドゥクマリーンペアとクロードユキペアの剣呑とした雰囲気は剣呑空気好きにはたまらない。剣呑空気好きってなに?

 

 キャッスルタワービル地下では激戦が繰り広げられている。いよいよチャッターとマサトを追い詰めたと思われたサルトラコンビとカグラ・ケインだったが、最後の力を振り絞ったマサトが神経毒ガスを散布。マサトを拘束していたためまともに喰らったトラヴィスとマサトは意識を失い倒れる。
 チャッターを捕らえるべく駆け出そうとするサルトビだったが、そのとき「未来視」によって自身が拳銃で撃ち抜かれるビジョンを見る。間一髪でカグラと共に飛び退いたその場所に銃弾が。フローリーとXが到着し、チャッターに加勢をすることにしたのだ。
 チャッター、フローリー、Xの攻勢に危機に陥るサルトビ、カグラ、ケイン。アストロパークのトラブルシューターであるカグラとケインはその矜持からサルトビだけでも逃がそうとするが、二人の誇りと信念に共鳴したサルトビは3人で勝利する作戦を立てる。
 決死行によりサルトビ、カグラ、ケインは強敵を倒し、地下での戦いは終着する。

 

 砂漠での戦いは熾烈を極めている。そんな中、ジギボの通信機器のアラートが鳴り響く。フローリーとXが任務に失敗したことを察した仲間たちはラウディとの戦いを中断してキャッスルタワービルへ向かう。ラウディもまたジギボを猛追する。
 マッジェもまたチャッターとマサトの敗北を知りキャッスルタワービルへ。
 こうしてシティを目指して各チームの面子がアストロパークへ集合することとなった。誰が敵で誰が味方か状況は混乱したまま、彼らは『流星祭』に集まる観客たちの前でショーに見立てた大乱闘を開始する。

 

 キャッスルタワービル屋上でのシャーロック対ルプスの戦いは佳境を迎える。
 二人はこれまでの戦いで得た仲間たちの力を自身にとりこみ、全身全霊をかけて戦った。仲間たちとの約束を、誇りを、信念を胸に二人の戦いは決着。ルプスの辛勝だった。
 そのとき、ビルの屋上を、不穏な風が吹き抜ける。
 5年前の嵐を経験した者たちは、あの厄災を感じ取る。
 アストロパークに、『IUS』が再び迫っていた。

 

 

 チャプター5『未来篇』、激動の第4巻もいよいよクライマックスだ。
 ルプスは六本木に残っているジョーとエイノットに通信を送る。二人からの報告によればその大嵐はアストロパークにだけ発生しているというのだ。
 第1巻でも起こった六本木を襲った小規模な嵐の災害に似た現象にルプスは疑念を抱く。

 

 突如発生した嵐に、パーク内にいたチームの面々も戦闘を中断する。『流星祭』に多くの人々が集まる夜、大規模な被害が出ることが懸念される。5年前のように。『流星祭』におとずれていた人々は動揺し狼狽するが、テクウがなんとかその場を落ち着かせる。アストロのメンバーたちはキャッスルタワービルの地下に人々を避難させるため尽力する。
 人々の危機にマッジェ・ラウディ・ジギボも立ち上がる。足止めを喰らっていた残りの仲間たちも到着し、彼らは一丸となり、自身に備わった力を駆使して人々を守ろうと奮闘する。
 嵐による風雨は強まり、救助活動を阻む。このままではキャッスルタワービルに入りきれない人々が出てくる。焦るハデスにグスクは、自身の広範囲プロテクトで逃げ遅れた人々を守り切るよう進言。しかし異能の力を長時間過剰に使用すれば死に至る。それでも最悪の場合は、用心棒たちのプロテクトを使って守ることしかできない。
 仲間か、力なき人々か。ハデスは選択を迫られる。

 

 そこへ「僕がやる!」と声が響き渡る。ケインだった。
 風使いであるケインは大嵐に自身のより大きな風をぶつけ、嵐を吹き飛ばす心算なのだ。ケインは作戦をハデスとグスクに伝え、もしも場合は人々を守るよう懇願する。
 ケインはカグラにおぶさり、二人は屋上へ向かった。
 屋上にはルプスと気絶したシャーロックが残っていた。ルプスとカグラが、人々が見守る中、ケインは大嵐に立ち向かう―――――。

 

 

 あらすじの紹介はここでおしまい。

 

 第4巻のこの大嵐との戦いの結末と、第5巻に続く事件のはじまりは是非とも小説を読んで確かめてほしい。

 

~ラウディ的おすすめポイント~

・『間奏篇』でのマダムとラウディ
 間接的に六本木を守ってきたのはマダムとラウディであり、同志であったことがわかるシーンは胸が熱くなる。だから贔屓にしてくれてたんだね……。

 

・ハデスさんのお怒り
 13人でのカチコミをスマッシュに「正々堂々タイマンで倒そうって漢気はねぇの?」と言われ、とうとう怒り心頭に発したハデス。マッジェがやらかした具体例を挙げていくのだが、その中に一つも冤罪や誤解がないという事実にスマッシュもちょっと引いてる。
 ちなみにマッジェのやらかし具体例は「人を銃で撃つ」「車で轢く」「ジェット付きガントレットで殴る」「電撃ナックルを心臓にぶちこむ」「コンテナ街を爆弾で埋め尽くして連続爆破」です。どれが一番やばいかみんなで話し合ってみよう!

 

・モンスターパニック
 マッジェ拠点ビルの壁を殴る音が工事現場の鉄球のようだったり、隙間から壁越しに覗き込む目の描写だったりと、マッジェから見た大人数のラウディはモンスターパニック映画のモンスター側である。
 ちなみに誰の目なのかは明らかにされていない。誰の目でも対して変わらない。怖いことに変わりないので。

 

・サルトビとキサラギ
 BOT第4巻P220-221、そのまま印刷して壁紙にしてぇ~~~~~!!!!!
 サルトビとキサラギの関係性が描かれている。サルトビは如月財閥に仕える忍であり、そのころはキサラギを護衛していたという過去がある。ラウディに入り、すっかり漢の面構えになった若様を、授業参観の親のような眼差しで見守るサルトビと、それにちょっとムッとするキサラギのやりとりを読んでくださいお願いします。

 

・特にクロードという男は危険。笑顔で人をバットで殴るヤバい奴。
 ジョーの実体験からくる熱い文言。

 

・大富豪如月財閥の息子とアストロパークCEOの息子
 キサラギとフューチャーのことなのだが、二人の嫌味のかわし合いはBOTの中で最もちくちく言葉が多い。

 

マルドゥクとマリーン
 過去、復興期の六本木で名を馳せた悪党コンビ、マルドゥクとマリーン。とんでもない設定だ。とんでもない。この二人が組んで六本木で悪行三昧して今は六本木の守る用心棒? とんでもないことだ。読んでください。
「挑発に乗るなやマリーン。奴らの作戦じゃ」
「でもマルドゥクさん! この人たちは、あなたの古傷を……!」
 出展:BOT第4巻P245

 

・全部だよ
 もう全部だよ。

 

 

 

 最後に冒頭で書いた注意書きをもう一度。

 

※あくまでもざっくりとした大筋の紹介と個人的なラウディショーグン好きポイントをまとめたものであり、目的は「小説BOTを買って読んでもらうため」となっています。
 この見せ場がない! このシーンが入っていない! などがありましたら是非とも発信・共有をしてください。見に行きます。にっこりします。
 個人のブログなのであらすじについては抜き・漏れがもちろんたくさんあります。
 本編を読んでご自身の目で確かめましょう!

 


 長くなりましたが、先述の通り、このあらすじはものすごくおおまかな部分しかなぞっていないし、ラウディがメインなので3グループについてはエピソードをかなり削っています。ラウディにももっとたくさんのエピソードややりとりが詰まっています。
 第5巻発売に向けて、これを機に読み始めてみませんか? 途中でやめてしまった方も、もう一度読み直してみませんか? 彼らの活躍をもっとたくさん味わってみませんか? みんなでバビロニウムが開かれるところを見ようぜ!!
 原作小説『BATLLE OF TOKYO』を読破して、7月のライブを思い切り楽しもう!!

 

 お読みいただいてありがとうございました。

オタクはいつでもどうしてどうしてどうして

沼落ちブログ残すためだけにブログ開設しました。

 

 THE RAMPAGE from EXILE TRIBE

 自分の人生において最も意外でイレギュラーな存在が現れた。
 LDHに興味がないどころか苦手だった。怖そうだしオタクに厳しそうだしウェイウェイしてギラギラしておっかないと思っていた。一生足を踏み入れることのない界隈できっと対岸の存在で顔も名前も中途半端なまま、ああこの人なら知っているな、くらいの。
 しかしRAMPAGEにハマッた。それだけは間違いない。

 すべてが噛み合ったのだと思う。
 興味を持った時期、過去に好きだった俳優集団D2との「16人組グループ」という共通点、教えてもらうタイミング。そのすべてが上手いこと重なったとき、オタクは天啓や運命だと思ってよりいっそう好ましい存在であると認識する。
 ありがとう。出会えて本当に嬉しい。
 でもきっといつかどこかでお別れしてしまうかもしれないから、こうして記録を書き残しておく。
 オタクはいつでもアイネクライネ(米津玄師)。

 


○2019年、秋~冬

 世の中が「ザワ」に盛り上がっていたころ、進撃の巨人にとてつもなくハマッていて、「ザワ」が世間を染め上げていた時期は元気に大阪ひらかたパーク進撃の巨人展に行っていた。
 「ザワ」が何なのかも知らなかった。DIO様のスタンドかと思った。それを略して呼びまくってる社会、不敬? とか思っていた。全然関係なかった。
 その「ザワ」が「HiGH&LOW THE WORST」の略だと知ったのはツイッターランドのタイムラインに流れてきたとんでもない登場人物のイラストからだ。

 黒髪眼鏡七三分け学ラン長身美青年。

 ?

 私は黒髪眼鏡長身美青年が大好きだ。黒髪眼鏡長身美青年で、肌が白く、目つきは鋭く、強く美しい。それが黒髪眼鏡長身美青年だ。そんな黒髪眼鏡長身美青年が私は大好きだ。

 

 !?

 

 どうやらこれはLDH主体のドラマ作品から続いている映画らしい。
 その黒髪眼鏡七三分け学ラン長身美青年の名前が「轟洋介」くんであることを知ったとき、私は生まれて初めてLDHへ歩み寄ることとなった。だって黒髪眼鏡長身美青年が出ている映画があると知ったから。


 幸い友人がLDHに明るかったので、「ザワ」なるものに出ている轟洋介くんのことを尋ねてみた。あのときの友人の「絶対好きじゃん」という巨大納得は忘れられない。そしてすぐにハイロードラマシリーズとザムの円盤を貸してくれた。本当にありがとうございます。おかげでここまでされたんだぞ!
 ハイローを楽しむのにそう時間がかからなかった。すごいスピードだ。即落ち二コマ。
 オタクがハイロー苦手なはずがないのだ。トンチキ世界観と設定をゴリゴリに押し通すあの派手でしっかりとしたアクションと、見せ場を盛り上げる音楽の数々、凝りに凝った場面づくりや美術やファッション。
 虜になった。
 あっという間にドラマシリーズを完走した。映画シリーズもスピンオフも見た。準備は完ぺきだった。
 しかし現実は非情である。


「ザムなるものまで見たよ! ところでザワなるものの円盤は?」
「ないよ」


 2020年1月。
 こうしてハイローを履修し終えた私の前に残されたのはSWAG&PRIDEのMVだけだった。

 


 ここまで書いておいてなんだけど、THE RAMPAGEにドボンとハマッたのはザワでもなくスワプラでもない。
 ここまではすべて轟洋介辻芝マンのオヤコー全日大三角形フォーエバーラブに出会えた話。

 


 スワプラは唯一轟洋介くんが出ている(RAMPAGEのMVに轟洋介くんが出ているということが希少なのだが)ので、しばらくずっと視聴していたのだが、ダンスやMVを見ているのが楽しかったので、他の楽曲も知りたくてYouTubeで検索する日々が始まった。
 ちなみにこの段階で顔と名前がわかっているのは4人くらいである。なんなら動いたり髪型を変えられると見失う。それが16人いる!!!
 でもこの16人いるという事実が私には嬉しかった。D2と同じ人数だなって思うたびになんだか楽しかった。


 そこでやはり運命の楽曲と出会う。
『LA FIESTA』


 イントロから掴まれた。こんなにもハマる楽曲があるなんて! と感動した。続く特徴的な低い声でのラップ、伸びやかな声、なめらかな声と三人のボーカルに惹きつけられた。MVのダンスや衣装や色彩に惚れ惚れした。
 もっとたくさん『THE RAMPAGE』を見たい聴きたい感じたい、と思った。

 ハマッた瞬間といえば確実にこれだ。今でもLA FIESTAが大好きで、ライブで流れたら飛び上がるくらい大喜びする。


 そこからはMVがあるだけ探して視聴して、昔の動画を見たりして、少しずつ人となりや個性を覚えて顔と名前を一致させていった。
 そのころ界隈は貴族降臨でやんややんやしており、貴族ファンミの画像がたくさん回ってきた。ちなみに私はサンマルチノが大好き!!!!!
 プリレジェを見て京極竜くんにドハマりした。プリロワも始めた。たぶん作品でいえばプリレジェによって沼落ちしたといっても過言ではない。
 ハイローを浴び、プリレジェを摂取し、RAMPAGEを吸収していく。
 LDHって楽しいじゃん! と天衣無縫モードになったそんな時期。

 そう、そんな時期。
 コロナ禍がやってきた。

 


○2020年初春~初夏

 出かけられない。仕事だけは続く。新しいものにいざやハマろうとしたその時期、出鼻をくじかれた気分だった。
 けれどなんとか私はRAMPAGEに投資がしたかった。初期投資は大事なことなので。
 1stアルバムを買った。ライブ映像が単独で出ているのではなくアルバムに収録されているのだとわかって、ちょっとカルチャーショックもあった。ライブ映像っていつも単体で出るわけじゃないのか……。(あと客席とか観客を映すのもカルチャー大ショックだった)

 


 ライブ映像を見た。
 夢中になった。
 音楽が、ダンスが、歌が、パフォーマンスが、見れば見るほど好きになった。
 こんなにもダンスが上手いのか、ダンスってこんなことができるのか、こんなにも魅力的なのかと、RAMPAGEを見て初めてそう感じた。
 あとシンプルにこんなに成人男性が健康な肉体を見せる景気の良い映像見るの初めてだったからびっくりしたな。いよっ! た~まや~!! 花火みてえだな!

 

 見終えた頃には2ndアルバムTYFを買っていた。
 超絶最高この世全ての興奮と熱狂を詰め込んだライブ円盤スロヤを浴び、完全にTHE RAMPAGEのことを好きになっていた。

 そうこうしているうちに「ザワ」なるものの円盤がいよいよ発売された。
 ザワの円盤を複数枚買った。初回限定版にライブ映像がつくというので、ライブ映像がついているものはとにかく欲しがった。
 友人にハイローを教えてくれたお礼として配ったり、一緒に楽しんでくれればいいから! と何も知らない友人に配ったりした。あとなんか……あるから! と配ったりした。
 RMPGツアーのグッズも買った。チケットを持っていたわけでもないしまだ行く予定があったわけでもない。ただ、とにかくTHE RAMPAGEのことを好きになったからには何かが絶対に欲しかった。

 

 私を更に深みへ嵌めたのはライブオンラインや、YouTubeでのザラの無料開放だ。
 ライブオンラインはパフォーマンス中に客が映るということは(当たり前だが)一切なく、ノーストレスでらんぺちゃんに集中できた。
 もうこのあたりかららんぺちゃんと呼び始めていたのでここでもらんぺちゃんと表記していく。
 コロナ禍の真っ最中でもライブオンラインという配信ライブを定期的におこなったことでらんぺちゃんの全体的なライブの構成やパフォーマンスの雰囲気を知って楽しむことができた。まだ現場には行ったことない新規にとっては、不謹慎ではあるがこれ以上ない環境だったのだ。
 あの時期にとってライブオンラインという試みがどれほど素晴らしいものだったか、意義のあるものだったか。円盤出してください。

 

 そしてびっくりするくらい全員が好きになっていた。16人が好きだった。16人が揃っているところが好きだと思った。16人じゃないと嫌だった。
 もう髪型が変わろうが衣装が変わろうがわからないということもない。今ではシルエットやダンスで誰が誰だか判別できる。会場の遠くの席からでもわかる。
 人間は成長する生き物だ。してみせる。ジョナサン・ジョースターもそう言っていた。

 現場が復活するのを心待ちにして、いざライブが始まったときにはらんぺちゃんの全ての楽曲を楽しめるように、各時期に行われたライブオンラインを鑑賞した。
 この曲でこうして飛ぶのがお約束なんだな、こんなふうにノるんだな、この合図がきたらこう動くんだな、と何度も脳内でシミュレーションした。まだ見ぬリアルライブへの夢が膨らんだ。生きようと思った。

 


○グループにハマった話のあとはやっぱりメンバーへの印象のトピック


 川村壱馬さん
 「ザワ」なるものの花岡楓士雄、プリレジェの京極竜。演技と声がものすごく好きで、フルメタルトリガーMVでの眼差しに貫かれた。玄関。役柄が役柄だけにやっぱりけっこう怖くて硬派なのか思ったらメンバーとアルトリアを溺愛していたので一気にかわいいという印象に。
 立派なオタク。芸能界でも屈指の令呪を持つにふさわしいマスターでありポケモントレーナー

 吉野北人さん
 一人だけ明らかに毛色の違う系統のかわいい美少女顔がいる!! とひっくりかえった。声もなめらかで華やか。「ザワ」なるものの高城司、プリレジェの天堂光輝。ほわほわのかわいこちゃんかと思いきや、グループで一番どっしりとした精神力で安定感があり男前でおもしれー男。
 どんどん美しくなっていく。見るたびに美しくなっているのでやがてはこの世の美の神の代名詞になる。

 RIKUさん
 ドたくましいボーカルおる!!歌うっっっっま!!!!なんでパフォーマーとシンメで踊ってるんですか!!!?? 一番驚かされた。ニコニコ笑顔が犬みたいでかわいい。←ずっと変わらない印象。
 ETERNALで演技もド上手いことがわかり、ミュージカルで歌の上手さに磨きがかかり、見るたびに驚かされっぱなしである。ETERNALのレンブラント様が大好きすぎる。

 LIKIYAさん
 おつかれさまです! いつでもねぎらいたい。冷静に自分よりも最低でも4歳下、最高で8歳下の年下メンバー15人をまとめるのはあまりにも至難の業。見た目はとてもいかつくてオラつかれたら怯えてしまうが、振り付けがめちゃくちゃ好きだし料理が上手くてかっこいいし、メンバーを見守る視線とおちゃめな部分が見えたとき、生まれたのは庇護欲だった。

 陣さん
 お手本のようなコッテコテの関西弁といじられぶりですぐに覚えた。バスツアー。みんなのまとめ役で、メンバーを先導し、注意したり叱ったり気に掛けたりとリーダーの役割がきちんと分かれているのが良いなあと思った。
 ダンスをする姿はいかつくて怖いので、バラエティのすがたと一致しないことがあった。背筋を伸ばすとめちゃくちゃスタイルが良いことに気づいたとき、ときめきを知った。

 神谷健太さん
 ダンスが目を引く。セクシーでミステリアスで浮世離れしている雰囲気につかみどころのないダンスパフォーマンスがなんとも言えない良い意味での異様さがあまりにも魅力的。立てばセクシー座ればキュート歩く姿はビューティフル。
 喋るとほにゃほにゃのハムスターすぎてかわいい。こんなにかわいいリスなのにステージでは湿度高めで熱の高い密林の花みたいな雰囲気がある。

 与那嶺瑠唯さん
 やはりダンスが目を引く。こちらも同じくミステリアスで浮世離れしている雰囲気で、ポップでかわいらしいかと思えば妖艶で異様な雰囲気。ダンスのことなんもわからんけどなんかめっちゃうまい! っていうことだけはわかる。
 おとなしいかと思えばどんどん面白い言動になっていて、自分でボケて自分でそのボケを回収する高等スキルがある。どこでそれを習得したのか。

 山本彰吾さん
 やっぱりダンスが目を引く。こんなダンスあるんだ! こんな動きがあるんだ! ここからこうつなげるんだ! とダンスの面白さが新鮮さを感じさせてくれる。小柄で白くてもちもちでかわいらしい印象の反面、目が真っ黒で観客にこれがRAMPAGEだぞ! と突きつけてくるのが最高。MA55IVEのときのバチバチな歌詞と切り裂くような高めで硬質な声が好き。ETERNALでのニクラス隊長の演技と発声が好き。
 小柄で白くてもちもちでかわいらしいけどグループでは年上でお兄さんでブレーンって、こんなん、好きに決まってるんだよなあ!!

 岩谷翔吾さん
 にこにこ!←かわいい! 爽やか笑顔!←好青年! ダンス!←急にバッチバチに動くし表情と目が挑発的すぎるし観客を煽る煽る煽り散らす。人間の足首ってこんなにグンニャリと曲がるものなんですか? 足首がグンニャリと曲がった状態で立ち上がることってできるの? にこにこ笑顔の人? ほんとに?
 将棋三段←すごい、岩谷文庫←大好き。『ボトルネック』が特に好きだけど、初回でこの作品をおすすめしてくるのがすごい。

 浦川翔平さん
 いつも人体のギリギリを攻めているのか? という動きとダンスをしている。身軽なアクションやバック宙を見るのが好きなので見るたびに感動する。あそこまで自分の体を使いこなしたら気持ち良いだろうな……と凝視してしまう。同時に精神のギリギリを攻めているコメディ精神がやや心配。
 MA55IVEとETERNALマティアスで情緒をめちゃくちゃにされた。ラップのぱきぱきっとした声質と発音とトリッキーさがめちゃくちゃ良い。SURVIVAL2022というクソデカトラップに見事に嵌る。

 藤原樹さん
 この世で一番好きな顔だな……。プリレジェの日浦海司。GOTRののっきんのっきんがあまりにもツボにハマッてめった刺しにされた。安定感のあるダンスがセクシーさをよりセクシーに、かつ健康的に魅せているところが最高。はしゃげるセクシー。ETERNALのリーフェン役が大好き。
 ねこ大好き。ねこですよろしくおねがいします。インスタのハイライトを見たとき、いくら個人アカウントとはいえここまで自由に自分ちのねこを自慢しても許されるのだなあと思った。

 武知海青さん
 最初は怖かった。でかくて筋肉なので。ダンススタイルもクランプという初めて見る激しいものだったので怯えたが、麗しいジャズダンスでダンスのすごさを再確認。
 ここまで名は体をあらわす、を実現させてる人を見たことがない。美しく鍛え上げられた筋肉はもちろんのこと、その肉体に至るまでの努力とそれを誇りに思えど鼻にかけない爽やかな強さと明るい笑顔が眩しすぎる。存在が眩しい。

 長谷川慎さん
 プリレジェの小田島陸。かずまこという名前が先に飛び込んできた稀有な例。この綺麗でしゅっとしたスタイルと無感情そうな面立ちから飛び出るほわほわな言動のギャップがえげつない。そしてダンスがとても激しい。キャップ+鼻から下をバンダナで覆う目しか見えないスタイルでのクランプ。ギャップがえげつない。アオリバでの年下ぶりがとてもかわいい。

 龍さん
 デッカけりゃデッカいほどかわいい芝マンちゃん。背が高くて目がバチッときりっとしていてすごいな……と思っていたら声と言動がほわほわほにゃほにゃで溺愛されてて、BABY。手足や体の長さにうねるような動きのダンスが巨大な蛇のようで怖くて美しい。ETERNALでのガッファー役はこの蛇らしさや体躯がぞんぶんに生かされており、すべてが噛み合っていて震えるほど最高。

 鈴木昂秀さん
 アフロディーテ。冗談抜きでアフロディーテだよ……という美しさと、言動の愛されポンコツっぷりと、アーティスティックでセンスの塊っぷり。ダンスが滑らかでシームレスなのもまた美しい。辻くんのときから演技が上手いのでは? と思ってたんですけどETERNALのジーン役がものすごく良かった。数少ないロングヘアの使い手なところも良い。
 立派なポケモントレーナーなのでまたポケモン企画や番組がありますように……。

 後藤拓磨さん
 一番年下が一番しっかりしているってワケ! 優しさの権化。ダンスがずっと安定していてしっかりしているので木の幹でも体に入っているのか? と思うほど。ファッションや写真から見える芯の強さとセンスの良さ。たっくんの撮ったメンバーの写真集ください……。ETERNALオズヴァルト役、本当に初演技か? と疑うほどに上手かったのでまた演技でのお仕事見たい!

 

 閑話休題

 そして2021年。
 現場が復活して私はファンクラブに入ってチケットを自力でとって現場に行った。4月のREBOOTプロローグツアーだ。
 はじめてのらんぺちゃんの現場。信じられないほど緊張していた。


○そして2021年


 人生初のLDHの現場である。
 まずLDHが怖かった。そこのファン層も怖かった。こんな見るからにオタクなオタクが行ったらおいおいオタクくんがいるぜぇ~!! 会場間違えてんじゃないのォ
~!? って後ろ指さされて笑われるんじゃないかと思っていた。脳内イメージが荒廃世紀末だった。


 けれどライブが始まったとき、そんな不安は掻き消えていた。
 このパフォーマンスの前に、歌の前に、楽曲の前に、「誰かに後ろ指をさされて笑われる」なんてことは考えていられなかった。
 ライブ鑑賞マナーと人間的なモラルとライブを楽しむ心があれば、それだけでよかったのだ。

 

 とにかく楽しかった。
 一年間ライブオンラインとライブ円盤で見つめ続けたTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのライブを体感して、とにかく嬉しくて、楽しかった。
 単純すぎる感想しか書けないけれど本当にこれしかなかった。
 スタンド席の上のほうまで見上げて煽って一緒に楽しんで! というスタイルなのもとても好きだった。時に弾けるような笑顔で、時に挑むような目つきで全ての観客を暴れ回る奔流に巻き込むその姿に、やっとらんぺちゃんのライブに行けたんだと実感した。
 
 このはじめてのライブが、本格的な沼落ちだった。

 とにかく楽しくて嬉しくて興奮して、一族合同ライブにも行ったし遠征もした。都心まわりしか行かなかった自分が、遠征したのだ。地方のごはんが美味しかったし知らない風景を見るのも楽しかった。
 5月のトークイベントに行けたことも沼落ちを深めるきっかけだった。生で見るトークしているだけのらんぺちゃんがとにもかくにもなんだかかわいかった。
 一緒にらんぺちゃんを見ているうちにらんぺちゃんにハマッてくれた友人とRRRイベントにも行った。
 らんぺちゃんを教えてくれた友人とらんぺちゃんに一緒にハマッた友人とで遠征したのが最高に楽しかった。
 舞台ETERNALで自分の好きだった舞台にかかわった脚本家さんが担当することを知って大喜びした。現場で観劇もしたし配信も買った。
 東京ドーム公演で信じられん良席引き当てたり信じられんほどファンサ喰らったりした。ビギナーズラックとはこのことだ。

 

○それから

 2022年。引き続き元気よく現場に行った。ブックアクト最前列自引きして死ぬのかなって思ったのがスタートの2022年だった。ビギナーズラックとはこのことだ。
 この年はRAY OF LIGHTとSURVIVALとBOTとETERNAL2でもうずっと一年間らんぺちゃん漬けになっていた。

 2022年が終わった。
 2023年はどうなるだろう。願わくは、まだまだ彼らの活動を追っていきたい。そうしたい。この熱が穏やかになるか、自分が死ぬか、そういうひとつの終わりまで。

 

 ここまで読んでくださってありがとうございました。

 最後尻切れトンボでしたが書きたい内容が多すぎたのでこのあたりで。